今月は年度末ということもあって、TVも特別番組が多い。レギュラーを
楽しみにしている方は、「見るものがない~~」とお嘆きではないでしょう
か?
卒業シーズンもあり、顔はまだ幼いのにピシッとスーツに身をこなして
地図片手にウロウロしている若者を、よく見かける。
研修中なのだろうか?私にも身に覚えがある。懐かしくもあり、微笑ましく
もあり、「頑張れ~!」と応援したくなる。
来月は入学入社の時期になり、また街がはなやぐいい季節だ。
日差しもだんだん暖かくなり、気持ちも明るくなる。
いよいよ桜の季節になり、高知県では早々と咲いているところがあると
ニュースで言っていた。
同じ場所に同じようにその木は、ずっとあるのに、花をつけるこの時期に
だけ、注目される。
そろそろ金木犀も香ってきて、卒業も入社も無関係な私でも、季節を
感じる。
桜の時期に命を落とした友人がいる。病気で長く患っていたので、ご親族
は少し安堵の表情をされていたのを、覚えている。
十年ちかく前なので、友人葬という言葉があったかどうかもわからないが、
本当にたくさんの友人に見送られて、「行ってきま~す」という感じで、
悲しみはゆっくり後からきた記憶だ。
優しいご主人で、治癒とは別に長く長く伸びる彼女の髪を、ベッドで編んで
あげておられたのは、うらやましいと思った。
その後もずっと一人でおられると聞いている。新婚間もなかったので、
子供もいなくて、ご両親はとうとう孫の顔を見れなかったが、こんなに
素敵なご主人を娘が選んだことに、深く感動されていた。
生きている者が元気で、幸せで、時々思い出してくれたら、満点だという
ような彼女だった。
若くして逝ってしまったが、彼女は自分の人生の目標をすべてやりきり
そそくさと逝ってしまった気がする。
そんな話をご主人にすると、少し微笑まれ、「ありがとう」と何度も言って
おられたのを、昨日のように思い出す。
一年ぶりの桜を見る楽しみが、また増えて嬉しい。(線香)